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簿記の目的から遡ってみる

簿記を学んでいると、今何をしているのか、これは他とどうつながっているのか、わからなくなることがあります。そんな時は、簿記の全体像を考えてみるといいです。

 

教科書によると簿記の目的は次の2つです。

①一定期間の経営成績を明らかにする

②一定時点の財政状態を明らかにする

 

①と②の目的を果たすために作成される報告書が、損益計算書貸借対照表です。

⇒ この2つの報告書は、残高試算表から作成されます。

⇒ 残高試算表は、合計試算表から作成されます。

⇒ 合計試算表は、総勘定元帳から作成されます。

⇒ 総勘定元帳は、仕訳帳から作成されます。

⇒ 仕訳帳は、取引が発生して作成されます。

 

簿記の目的から遡っていくと、それぞれの帳簿の役割が明らかになってきます。これを逆に辿ったものが、簿記の一巡になります。簿記一巡もしくはその逆を常に意識することが学習を深めていくことにつながります。

 

学習問題にも工夫が必要です。市販されている簿記の問題集では、最初に貸借対照表損益計算書の作成の問題がそれぞれ別の単元で出題されています。設問には、勘定科目と金額のデータが記載され貸借対照表もしくは損益計算書を作成します。しかし、その元になるデータは何処(どの帳簿)に記載されているのかは、記載されていません。単に与えられたデータをもとに、単に報告書を作成する作業になっています。

問題を解ければいいという学習の弊害の始まりが、ここにあるのでは。

そこで、残高試算表と財務諸表のつながりを意識できるこのような問題に作り変えてみました。

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問題1

参考:東京法令出版 新訂版「簿記」醍醐 聰 監修